古詩十九 其のニ首     (2)

  
  青青河畔艸    青青 畔の艸
    
欝欝園中柳    欝欝たる園中の柳
    盈盈楼上女    盈盈たる 楼上の女
    皎皎当窓牅    皎皎として窓牅に当たる
    娥娥紅紛粧    娥娥たる紅紛の粧い
    繊繊出素手    繊繊として素手を出す
    昔為倡家女    昔は 倡家女の女為り
    今為蕩子婦    今は 蕩子の婦為たり
    蕩子行不帰    蕩子 行きて帰らず
    空牀難独守    空牀 独り守り難からん

此の詩は①不幸な結婚をした婦人が一人寂しく留守をしているのを同情した詩と解釈。②遊治郎に身受をされた妓女の儚い運命を歌った詩であると2通りの解釈がある
語釈:
==鬱々==茂るさま
皎皎==色白くひかるさま
娥娥==女の美しい形容
倡家==遊女屋
蕩子==放蕩の男子

此の詩は蕩子郎に身請けされた妓女のはかない運命を歌った詩である


    09/21/06          石  九鼎