湖　山 湖山小野名長愿字?翁近江人住豊橋文政十一年甲戌生 　　　　　読詩有感 当年誰復願周道。　　　　当年　誰が復た　周道を願う 珍重詩人一片忠。　　　　珍重　詩人　一片の忠 檜下無譏真可怪。　　　　檜下　譏り無く　真に怪むべし 匪風千年激悲風。　　　　匪風　千年　悲風に激す 　　　　　読易有感 古礼分明聖道傳。　　　　古礼　分明　聖道傳う 婚儀高在百為先。　　　　婚儀　高く百為先に在り 側聞盛事感無限。　　　　盛事を側て聞き　感無限 帝乙正逢帰妹年。　　　　帝乙　正に逢う　帰妹年 　　　　　祈雨図 一幸南淵百廃振。　　　　一幸　南淵　百廃振 可知天子即天神。　　　　知るべし天子　即ち天神 豈唯五日甘霖足。　　　　豈に唯だ五日　甘霖足りる 醸出中興三偉人。　　　　醸し出す　中興　三偉人 　　　　　平薩洲宿花下図二首之一 一死千秋声誉新。　　　一死　千秋　声誉新たなり 花陰詩就最精神。　　　花陰　詩就りて最も精神 武夫健将知多少。　　　武夫　健なるは将に　多少なるべしを知るべし 能解風流有幾人。　　　風流を能く解するは　幾人か有る 　　　　　　平薩洲宿花下図二首之二 我是清事一幸民。　　　我れ是れ　清事　一幸民 豈期弓箭策功勲。　　　豈に期せん　弓箭　功勲を策するを　 睡眠幾度宿花底。　　　睡眠　幾度か　宿花の底 也有風情似使君。　　　也た風情の使君に似たり有り 　　　　　読義士傳五首之一 復讐志了更何期。　　　復讐　志了す更に何就ぞ期す 想見従容就義時。　　　想い見る従容たり　義に就く時 黄金安得鋳遺像。　　　黄金　安くんぞ遺像を鑄するを得ん 一代忠臣百代師。　　　一代の忠臣　百代の師 　　　　　鬼谷子 紛々七国重遊説。　　　　紛々たり七国　遊説を重ねる 唇舌誰如儀與秦。　　　　唇舌　誰が儀と秦とが如し 門下養成機変士。　　　　門下　養成す機変士 不知鬼谷是何人｡　　　　知らず　鬼谷　是れ何に人ぞ 　　　　　晏嬰 史公作史信無稽。　　　　史公　史を作し　無稽を信ず 動使後生疑且迷。　　　　ややすれば後生をして疑い且つ迷い使しむる 善與人交晏平仲。　　　　善は人と交もごも晏平仲 豈於尼叟惜尼谿。　　　　豈に尼叟より　尼谿を惜しまん 　　　　郭汾陽聚児孫図 孫子振振満寿筵。　　　　孫子　振振　寿筵に満る 挙觴繞膝意欣然。　　　　觴を挙げ　膝を繞り　意　欣然たり 好?此畫傳天下。　　　　好し此の畫を?て　天下に傳えん 広結人間歓喜縁。　　　　広く人間の　歓喜の縁を結ばん 　　　　読十二月七日詔書 唐室中興韓子筆。　　　　唐室の中興　韓子の筆 准西勲業号無双｡　　　　准西の勲業　号無双 聖皇宸断真神武。　　　　聖皇　宸断　真に神武 剿賊功成不殺降。　　　　剿賊　功成りて　降を殺さず 　　　　　　　　　　　　　　　m-kozan.html