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清明上河図
独断・清明上河図を旅する(8)
1・停泊している船には、船縁にそって、竿を操って歩くための、一人が歩ける幅の歩廊のようなものが整えてある。舳先の歩廊で竿を川底の突き刺し、後方部へ歩廊を伝い歩きしながら船を前へと進めて行く。日本の小さな海岸で見られる沿岸風景は郷愁をさそう。
うしろの船では荷揚げ作業が続いている。中央の船の上では3人の男が左上の船の男になにやら大声で叫んでいる。運河沿いは活気が溢れてきた。急流の中で懸命に船を操る人々を描く。河の流れはかなり速い。
◇この急流に飲みこまれて流されてゆく話が残る。
開封の孟良は大金持ちだったが、けちん坊だった。彼の父もまた輪をかけたような、けちん坊であった。病気になったが医者にはかかろうとはせず、息子に言う。
『セガレや、病気が長びいて なかなか なおらんので、醴泉觀(ベン京東郊の道教の寺)へ平療祈願に行きたいのだが、わしは歩けんので、おまえ、おぶって行ってくれ』 と言った。
孟良はそこで父親をおぶって行ったが、ベン橋を渡る時に船曳きの綱に躓いてスッテンコロリ。父はベン河にドボーンと投げ出されてしまった。これを見ていたのが、近くにいた船頭。孟良に『一両出せば助けてあげるよ。』 と言うと、孟良は首を振って言う
『三銭だすから助けてくれ』
『いやだ。一両くれなきゃいやだ。』
『それじゃ四銭やるから・・・・・・』
『いやだ』すると父親があっぷあっぷしながら、孟良に言った。
『セガレや、五銭以上は一銭も出してはならんぞ。』
(笑苑千金)

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