張 戴 張戴(張孟陽)河北省武邑の人。晋の太康の時、張華及び弟の張協と共に三張と称せられた作家である。 [四愁詩」は夙に張衡に作られ傳玄によって擬せられ、今また張戴によって擬作せらるに至った。 張衡の原作が有名で有った。この様な為に模倣擬作が繰り返される処に、詩の流行の原点とい所為に注目に値いする。 詩の体裁「体式」は一篇四章と原詩と略、同様。句数は張衡、傳玄ととって一章八句になっている。 擬四愁詩四首 (其の一) 我所思兮在南巣 欲 我之懐矣心痛労 佳人遣我筒中布 佳人我に遣る筒中の布 何以贈之流黄素 願因瓢風超遠路 終然莫致増想慕 「詩語」 (南巣)=昔の巣、又は居巣と言う地名で、今の安徽省巣県の東北に在った。 (巫山)=四川省巫山県に在る山。 (筒中)=筒の中に収めた細い糸で織った布。 (流黄素)=黄いばんだ生絹。 〈 私の思う人は南巣い在る。その人の所へ行こうとすれば、巫山が高く聳えて妨げている。崖に登って眺めると、涕が流れる。私の心は痛み疲れる。 美人が私に筒に入った細い布をくれた。その返礼に何か送ろうか、黄ばんだ生絹にしよう。ひらひらする風に乗って遠い道を乗り越えてと思うが、結局はそちらへ、身体を遣ることが出来ないので慕わしさが、募るばかりだ。 Copyrightc 1999-2012"(IshiKyuuteiKanshikan)"All rights reserved. IE6 / Homepage Builder vo16 |