石組庭園

元禄時代作庭 石組庭園(いわぐみていえん)

  • 元禄2年(1689年)築造
  • 規模・・・庭園面積 約380m²(東西幅 約20m 南北奥行 約19m)
  • 構造形式・・・池泉鑑賞式                             面積66m²の池泉で、ほぼ三角形に近い形態を示す。現在の水源は滝から落ちるごく少量の水と、池底からの湧水であり、年間を通して枯れることはない。かつて、西広島バイパスが出来る以前は山畔から滝石に落ちる水はあたかも滝のようであった。
  • 築山と石組・・・最大の特色は山畔が急であるため、土留めをかねて下の池泉護岸からその上部ににかけて多数の石組を行っていることである。また、その山畔の西寄り谷間の部分に炊き石組があり通常の滝とは異なった造形を示している。その左手山畔は、上部にかけて横石を主体とした特色ある石組組まれており、本庭の大きな見所といえる。

大正15年裏山の土砂崩れにより埋もれ、その後さつき等を植えていたが、平成10年徳島市国分寺住職佐藤玄由老師の紹介で、日本庭園研修会会長 吉川功氏に修復を依頼した。同氏によると、広島市は被爆のため名園である縮景園が破壊され古庭園の保存率は極度に低い。そんな広島市から戦炎を免れた、江戸時代初期の寺院庭園が出現したことは非常に意義深く、文化財としても十二分な価値を有しているとのことである。