香蘇山館詩集


          天之部  地之部  黄之部  元之部

字は蘭雪・号は蓮花博士/石渓老漁渓肪。江西省東郷の人
清朝時代。乾隆の始め鴻博に召試されたが、遇をはずして帰り郷に挙
げられ
内閣中書内閣となり黄景仁と試才を等しくした。

朝鮮の吏判書金魯敬。崇梁を以って詩佛と称す。黄景仁は字を仲則。蘭雪と仲則は何時も並び評される。両人共も詩は剛健且つ剣気を帯びる。

呉蘭雪は書室を香蘇山館と言う、著に香蘇山館詩抄がある。今回は律詩を中心に収録した。前録した絶句集は平易。律詩は難解が多い。
呉蘭雪の時代背景を考察し鑑賞すると解り易い。

清朝の乾隆時代の詩人「洪稚存」(1746-1089)の北江詩話に「詩には必ず珠光と剣気とが有り始めてその永遠性があるのを信じる。呉蘭雪の詩は珠光が七分、剣気が三分ある。黄仲則も又そうだ。私の詩は剣気が七分で珠光が三分だ。張船山も私と同じだ」と言っている。

剣気と言うのは気魄の強い詩。万里の長城あたりがもつ男性的な気を感じさせる詩とするなら珠光は浪漫的は詩情をたたえたもので、女性的なもの唯美的なものをねらった詩のことである


漢詩作詩家は一読の価値はある。日本での註釈は少ない。漢魏六朝から唐宋明の解釈は多い。「全唐詩」だけでも九百巻、四万八千九百首余。千年後の清朝時代の康煕年間に収録されたものである。

日本の唐詩選は服部南郭を始めとした先人の似類書が多い。類似が多いのは中国でも同じ、然し日本の著書と異にする点は著者の自論が多い。


       秩入り今体詩抄13巻・4冊。
参考文献
清史列伝
清高宗純皇帝実録
毛慶善(黄仲則先生年譜)
両當軒全集
洪亮吉(北江詩話)
翁方綱(悔存詩鈔序)
恵洪(冷斎詩話



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