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【 シヴァナンダヨガについて 】


◆ 5つのポイント


ヨガ ≠ エクササイズ


一般的に、「ヨガ」と言うと、ポーズをとる運動行為に目が行きがちですが、
それはほんの一部分でしかありません。


ヨガは、皆さんの日常を健やかに、より楽しいものにしてくれるツールであり、
ライフスタイルの一つです。


シヴァナンダヨガでは、「運動:アーサナ」 だけではない古代から伝わるヨガの智慧を、
誰もが生活の一部として取り入れやすいように、シンプルに自然な方法として
「5つのポイント」 にまとめ紹介しています。


それらは等しく重要で、バランスよく実践することで皆さんの心身を健康に保ち、
毎日がより穏やかに、楽しいものとなるでしょう。


シヴァナンダヨガの 「5つのポイント」 を知っていただくことで、
体を動かすこと自体が目的のスポーツエクササイズや、表層的な美しさや痩身を求める
美容体操などとの間には明確な違いがある事がお分かりいただけると思います。
また、既に他のヨガをされている方にはシヴァナンダヨガの特徴が明らかになるでしょう。


◆ ヨガの人生観


古代ヨギー(ヨガをする者)たちは人生を、
Birth(誕生)→Growth(成長)→Youth(変化)→Old Age(衰え)→Death(死)
というサイクルで、トライアングルのようにとらえていました。




このサイクルの中で、人が自分自身とも環境とも調和して幸せに生きていくには、
精神を成長させることが大切であると説いています。


体(肉体)は、子供が大人の体へと変化していくように努力なくとも自然に成長していきますが、
精神の成長は鋭い知性と強い意志力が必要であり、それは健全な心と体があってこそ叶うものです。


その健全な心と体を保つことで「幸せ」とは外に求めるものではなく、
本来、自分の内にすでに存在しているものと気付くでしょう。そして毎日がより楽に、
自由になっていくだろうことをヨガは伝えています。


◆ 実行にあたってのヒント


では、実際にどのようにヨガを行って行けばよいのでしょう? いろいろな手法がありますが、
Yoga in the flowでの実践の主体は シヴァナンダヨガの教えをベースとしています。


シヴァナンダヨガは、西洋医学の医師であったスワミ シヴァナンダ師によって
統合的にまとめられたものです。


 

ヨガをシンプルかつ、高尚な考えに基づいた生活スタイルの中で、
自分を精神的成長への道へと導いてくれる手段と位置付け、その教えは、
「Serve、Love, Give, Purify, Meditate, Realize」
(奉仕せよ、愛せよ、与えよ、浄化せよ、瞑想せよ、目覚めよ)
という6つの言葉に要約されています。


このスワミ・ヴァナンダ師の教えを 高弟の一人であったスワミ・ヴィシュヌデヴァナンダ師が、
誰もが生活の中で実践し易いように、わかり易く、5つのポイントとしてまとめたものが
「5ポイント」 です。


● 適切な運動−アーサナ
● 適切な呼吸−プラーナヤーマ
● 適切な休息−シャバアサナ
● 適切な食事−ベジタリアン
● ポジティブな考えと瞑想−ヴェーダーンタ哲学とディヤナ(瞑想)


このシヴァナンダヨガ5ポイントは、今現在も、世界各国多くの人々に取り入れられています。
それでは、シヴァナンダヨガの特徴となる5つのポイントについて一つ一つ見ていきましょう。



1 アーサナ(適切な運動)




<動きの特徴>


アーサナとは、“steady pose (安定した体勢)”という意味で、最初に背骨を強く、
そしてしなやかにすることに焦点が置かれています。


重要な神経や伝達機能を含む背骨周辺を動かして血液をよく循環させ、
しなやかにすることで神経がよく働き、体の隅々にまで酸素や栄養が行き渡らせ、
体全体の活性化を導きます。


 

<肉体運動 + α>


 

ヨガで行う運動は単なる肉体運動ではなく、精神面の能力を広げ発達できるようになっています。
アーサナは、深い呼吸と心の集中で調和を図ります。1時間のアーサナの練習は、
1時間の深い休息と同様の効果をもたらし、1時間の瞑想に匹敵する集中を与えてくれます。
ゆっくりと意識を持って動くことで、集中と瞑想という精神の鍛錬を行う運動なのです




2 適切な呼吸(プラーナヤーマ)




<浅い呼吸>


現代の忙しい生活をしている人々は、呼吸時に肺のわずかな部分しか
つかっておらず、横隔膜も適切に動いていない場合が多いようです。
背中や首がこり、酸素が不足して理由もないのになぜか疲れやすくなります。
そのような呼吸は、プラーナ(生命エネルギー)を少ししか得ることが
できていないとされています。

  

<呼吸で心を穏やかに>


プラーナヤーマとは、プラーナ(生命エネルギー)をコントロールすることで、心を安定させ穏やかに
導くヨガの呼吸のテクニックです。体の活力・情緒の安定・明晰な精神を生み出します。
心を集中させ、意識的に呼吸を規則正しくすることで多くのプラーナを蓄え、
活力と強さで輝くようになります。次に紹介しますのは、その種類とやり方の一部です。

   

☆ 完全呼吸法(フルヨーギックブリージング)


鎖骨、肋骨、複式呼吸を合わせた呼吸で、横隔膜の適切な動きを感じられます。

   

☆ カパラバティ(カパラ=頭蓋骨、バティー=輝く)


腹筋をへこませポンピングするように、強く行きを吐くことで肺の下の方にたまった
汚れた空気を追い出し、酸素を豊富に含んだ新鮮な空気が流れ込む道をあけ、
呼吸器系全体を掃除します。

   

☆アヌロマヴィローマ(片鼻交互呼吸法)

   

一方の鼻孔から息を吸い、息を止めてから、もう一方の鼻孔から吐くということを
2:8:4の割合で行います。

   

右(ピンガラ)の呼吸は、熱く、活性、太陽を象徴し、異化作用(分解作用)と
内臓の活動を促進させます。左(イダー)の呼吸は、冷たく、抑制、月を表し、
同化作用と体の回復を促す作用があります。
中の2つの対極のエネルギーのバランスをとるのを助けます。    

右脳と左脳のバランスもとります。
心を安定させ、落ち着かせることで、瞑想の準備になります。


たくさんのプラーナを得る人は、活力と強さで輝くようにまります。




3 適切な休息(シャバーサナ)




<活力の自然放電/過放電>


私たちの心も体も、常にスイッチがオンになっていると放電状態になり、
自然に活力(エネルギー)を消耗するようになっています。


ほんの少しの怒りや、嫉妬、イライラは特に、必要以上の消耗が進み、
さらに、暴力的な感情の噴出や抑制は習慣になりやすい為、
慢性的な過放電体状態を引き起こし、体だけでなく心にも害を及ぼすと言われています。

体と心は、使いすぎたり、疲れた時には、適度に休む事を必要としています。


<充電とエネルギー効率>


現代の生活は、食べること、仕事、娯楽でさえリラックスして行うことが
難しくなってきています。多くの人が、それが、

休息とリラックスが、エネルギーを充電する方法

だということさえ忘れているように見えます。


常に緊張した状態でエネルギーを無駄に使うのではなく、エネルギーを蓄え、
効率よく使うことを学ぶことが必要です。


完全なリラックス状態の時は、エネルギーは最小限に、
血液や臓器の動きを維持するだけに使われ、多くは体に蓄えられます。


<完全なリラックス>

完全なリラックスを得るためには、「体」「心」「スピリッチュアルな魂」のレベル、
全てのリラクゼーションが必要になります。


@ 体のリラクゼーション


体の動きは、思い、考えから発生しています。頭で考えたことが、体の動きになり行動になります。
筋肉を休める時も、頭から意識的に指令を出すことがとても効果的です。(自己暗示)


A 精神のリラクゼーション

心が緊張している時は、呼吸をゆっくりとリズミカルにすることで、和らぐことができます。


B スピリッチュアルなリラクゼーション

心をリラックスさせようとしても、エゴ(自意識)から離れない限り、完全なリラックスにはなりません。
自分自身を、全てに繋がる力、平安、喜びそのものである純粋意識(真我)に同調させ、
自覚することが、リラクゼーションを完全なものとします。




4 適切な食事(ベジタリアン)




<体に入れるべきもの>


健全な体を維持する為に必要なものとは、食事、空気、水、太陽の光です。
食事で言えば、食べ物は肥沃な土地で育った新鮮な物ほど
多くの栄養素を含みます。


太陽が全ての生命の根源であり、次に食物→それを食べる草食動物→肉食獣がいます。
この連鎖の中で太陽の恵みを直接受けている物(野菜/果物/種/ナッツ/穀物/天然の乳製品等)
が自然な食物であり、体に必要な栄養源を吸収することができます。
(肉は、いわゆる“中古”の栄養素でしかなく、体の代謝を衰えさせてしまうと考えられています。)


私たちは、食べた物で、出来ており、健康のモットーは、

“生きるために、食べる”のであって、“食べるために、生きる”のではないということです。




5 ポジティブな考え方と瞑想(ヴェーダーンタ哲学とディヤナ(瞑想))




<心の状態>


静かな湖の澄んだ水面からは、湖底まではっきりと見ることができます。
もし波立っていたり、濁っていたら底に何があるか見ることができません。


同じように、心も欲望や、考えで揺れ動いていたり濁っていたりすると、
底にある本質“Self−真我”を見ることができなくなります。


心が静まり、浄化されて澄んだ時に、私たちはこの心の本質を見ることができます。
これも“ヨガを行う”上での大切な要素です。


<心の揺れを止める>

心の揺れは、外の対象にも、内にも“集中する”ことでコントロールすることができます。
外とはロウソクの火、スピリッチュアルな絵や写真など、対象とする何かに集中していきます。
内とは、“Self”もしくは“I am”(私は存在(真我)そのものである)という意識に集中していきます。


心が集中している時、すべての問題や心配は消滅します。
心には、生来、このような性質があるからです。


<心の性質>


心が完全に集中していると、時間の感覚がなくなります。ヴェーダーンタ哲学では、
時間の流れも心によって創り出されている概念的なものとされています。


簡単に言うと、時間、空間、原因、などすべての外側に見える景観は、
内側にある心が作り出しているものと言う事です。


外からもたらされる幸せは、心が一時的に感じているもので限りあるものです。
心がゆるぎない永遠に続く幸福感を得るには、自分の内側にある心をいかに静めるか、
頭の考えの限定をどう超えるかを、知る必要があります。


<概念や限定を超える>


“Self−真我”、つまり内なる心に集中し、それが長い間持続することが瞑想の状態です。
ヴェーダーンタでは、「私たちは、概念や限定の中の、幻想の世界に生きている」といいます。


瞑想の状態は、この概念や、限定を超えることで、過去、未来のない
 『“永遠の今”に存在しているという意識』そのものになることです。
これは、すべての心の動きが止まったときのみ、訪れるとされています。


<瞑想と睡眠の違い>


睡眠は、体や脳の休息、回復をもたらしてくれますが、瞑想は、意識があるということ、
精神、魂のレベルでの変化、修復がなされているということが、
睡眠との違いと言えるでしょう。


細胞は、精神、魂レベルにある潜在意識にも影響を受けているので、その波動が平和で喜びに
満ちている場合は、全細胞の調和がとれ、衰えや病をもたらす原因がなくなっていくでしょう。


一方共通して言えることは、瞑想も、睡眠と同じように、学ぶことができるものではありません。
眠りとは、自然に落ちてゆくように、瞑想状態も自然に落ちてゆくものです。




まとめ


以上が5ポイントのご紹介です。


これらを知っていただくことで、クラスでの内容がより腑に落ちしやすく、また、
ヨガを自分のものとして受け入れやすくなるのではないかと思います。


難しく考えず、まずは一緒にクラスの中で行っていきましょう。


ヨガは、けっして特別な「イベント」ではなく、
日々の生活の中で、あたりまえのように自然に行われるものです。


Yoga in the flow でも、ヨガが特別なものではなく、
日々の生活の中であたりまえの存在としてあり続けられる事を目指しています。
シヴァナンダヨガの教えが皆さんの生活をより自由で楽しいものとなるよう、
お手伝いをしていきたいと考えています。


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