★　蘇東坡詩集　★　　五巻 　　目次　：　詩話　　　　　　　　　　石九鼎漢詩館

一巻　二巻　三巻　四巻　五巻　六巻　七巻　八巻　九巻　十巻 　　　宋叔達家聴琵琶 数絃已品龍香撥。　　　　数絃已に品にす龍香の撥 半面猶遮鳳尾槽。　　　　半面猶を遮る鳳尾の槽 新曲従翻玉連鎖。　　　　新曲は従ぅて翻す玉連鎖 旧声終愛鬱輪袍。　　　　旧声終に愛す鬱輪の袍 夢回只記帰舟字。　　　　夢回って只記す帰舟の字 賦罷雙垂紫錦條。　　　　賦し罷んで雙び垂る紫錦條 何異烏孫送公主。　　　　何ぞ異らん烏孫に公主を送るに 碧天無際雁行高。　　　　碧天際無く　雁行高し 　　（　宋叔達の家で琵琶を聴いたことを作したもの） 　　　祥符寺九曲観灯 沙籠�ﾌ燭迎門入。　　　　沙籠燭を�ﾌげて　門に迎えて入る 銀葉焚香見客邀。　　　　銀葉香を焚いて　客を邀えるを見る 金鼎転丹光吐夜。　　　　金鼎丹を転じて　光は夜に吐く 宝珠穿蟻鬧連朝。　　　　宝珠蟻を穿ち　鬧しこと朝に連る 波翻焔裏元相激。　　　　波は焔裏に翻って　元相激し 魚舞湯中不畏焦。　　　　魚は湯中に舞いて　焦るうを畏れず 明日酒醒空想像。　　　　明日酒醒め　空しく想像すれば 清吟半逐夢魂鎖。　　　　清吟半ば夢魂を逐うて鎖す 　　（此の詩は煕寧六年正月の作。九曲法濟院で法の灯を観た感想を述べたもの） 　　　正月二十一日病後述古迎往城外尋春 屋上山禽苦喚人。　　　　屋上の山禽　苦に人を喚び 檻前冰沼忽生鱗。　　　　檻前の冰沼　忽ち鱗を生ず 老来厭伴紅裾酔。　　　　老い来って紅裾に伴いて酔うことを厭う 病起空驚白髪新。　　　　病より起て空く驚く白髪の新なるに 臥聴使君鳴鼓角。　　　　臥して使君の鼓角を鳴らすを聴き 試呼稚子整冠巾。　　　　試みに稚子を呼んで冠巾を整えしむ 曲欄遊柎終寒窘。　　　　曲欄遊柎に終に寒窘せん 一看郊原浩蕩春。　　　　一看す郊原浩蕩の春 　　（此の詩も煕寧六年正月の作。21日、陳述古が東坡を迎えて城外え春を尋ねたのでこの詩がある） 　　　有以官法酒見餉者因用前韻求述古為移厨飲湖上 　　　（官法酒を以って餉れれる者あり、因って前韻を用い述古に求め、為に厨を移して湖上に飲む） 喜逢門外白衣人。　　　　門外白衣の人に逢うを喜ぶ 欲膾湖中赤玉鱗。　　　　湖中赤玉の鱗を膾にせんと欲す 遊舫已粧呉榜穏。　　　　遊舫已い粧う呉榜の穏なるを 舞衫初試越羅新。　　　　舞衫初めて試む越羅新なるを 欲将漁釣追黄帽。　　　　漁釣を将って黄帽を追はんと欲す 未要靴刀抹絳巾。　　　　未だ靴刀の絳巾を抹するを要す 芳意十分強半在。　　　　芳意十分　強いて半ば在り 為君先踏水辺春。　　　　君が先ず水辺の春を踏むが為なり 　　（官法酒を以って餉れれる者があり、陳襄に約して厨を湖上に移して宴を開いて詩を作したもの） 　　　　飲湖上。初晴後雨　　（二首之一） 朝曦迎客艶重岡。　　　　朝曦客を迎えて重岡に艶なり 晩雨留人入酔郷。　　　　晩雨人を留めて酔郷に入る 此意自佳君不会。　　　　此の意自ら佳なれども君会せず 一杯当属水仙王。　　　　一杯当に水仙の王に属すべし 　　　　飲湖上。初晴後雨　　（二首之二） 水光瀲艶晴方好。　　　　水光瀲艶として晴れて方に好く 三色空濛雨亦奇。　　　　三色空濛として雨も亦た奇なり 欲把西湖比西子。　　　　西湖を把って西子に比せんと欲すれば 淡粧濃抹総相宣。　　　　淡粧濃抹　総て相い宣ろし 　　（此の詩、煕寧六年正月二十一日の作。「濃抹」方の字を一本に「偏」の字に作る。「空濛」を一本に「朦朧」に作る。相宣し「欲」の字一本に「若」に作る。「総」の字を「両」の字に作る） 　　　新城道中　（二首之一） 東風知我欲山行。　　　　　　東風我が山行せんと欲するを知り 吹断簷間積雨声。　　　　　　吹き断える簷間積雨の声 嶺上晴雲披絮帽。　　　　　　嶺上の晴雲絮帽を披き 樹頭初日挂銅鉦。　　　　　　樹頭の初日　銅鉦を挂げる 野桃含笑竹?短。　　　　　　野桃笑を含み　竹?短く 渓柳自搖沙水清。　　　　　　渓柳自ら搖いて沙水清し 西（山　奄）人家応最楽。　　西（山　奄）の人家　応に最も楽しむ 煮芹焼筍餉春耕。　　　　　　芹を煮て筍を焼いて春耕に餉す 　　（煕寧六年二月の作。） 　　　寒食未明至湖上。・・・・・・。 城頭月落尚啼鳥。　　　　　　城頭月落ち尚を啼く鳥 鳥榜紅舷早満湖。　　　　　　鳥榜紅舷　早く湖に満つ 鼓吹未容迎五馬。　　　　　　鼓吹未だ五馬を迎えることを容さざるに 水雲先已（風　易）雙鳧。　　水雲先ず已に雙鳧を（風　易）げる 映山黄帽（虫　?）頭舫。　　山に映ずる黄帽　（虫　?）頭の舫 夾道青煙鵲尾爐。　　　　　　道を夾さむ青煙　鵲尾の爐 老病逢春只思睡。　　　　　　老病春に逢うて只だ睡らんことを思い 独求僧榻寄須臾。　　　　　　独り僧は榻を求めて須臾を寄せる 　　　自昌化雙渓館下。　（二首之一） 乱山滴翠衣裘重。　　　　　　乱山翠を滴らして衣裘重し 雙澗響空窓戸揺。　　　　　　雙澗響空しく窓戸揺く 飽食不嫌渓筍痩。　　　　　　飽食嫌はず渓筍の痩するを 穿林間覓野?苗。　　　　　　林を穿ち間に覓む野?の苗 却愁県令知遊寺。　　　　　　却って県令の寺に遊ぶを知るを愁う 尚喜漁人争渡橋。　　　　　　尚を漁人の争うて橋を渡るを喜ぶ 正似（酉　豊）泉山下路。　　正に似たり（酉　豊）泉山下の路 桑枝刺眼麦齊腰。　　　　　　桑枝は眼を刺し麦は腰に齊し 　　（此の詩は煕寧6年3月の作。東坡が昌化県に至り、雙渓館の下から歩いて、渓の源を尋ね、治平寺に至る時のことを写した） 　　　　　一巻　二巻　三巻　四巻　五巻　六巻　七巻　八巻　九巻　十巻 　　　　　Copyright(C)1999-2005　by Kansikan AllRightsReserved　 　　　　　　ie5.5 / homepage builder vol.4"石九鼎の漢詩舘"